今回のコラムはMAXがお送りいたします!
道楽家が「物語」を好む理由
私自身、神アニメ研究家として様々なアニメを観て研究していますし、ドラマや映画も好んで観ています。
私が運営している「神アニメランキング虹見式!」では、私が感動したアニメを紹介をしていたりするのですが、アニメやドラマは「物語」を描いています。
なぜアニメやドラマが面白いのかというと、「物語」を描いているからです。「物語」にすると、背景や流れとして見ることができ、理解が深まります。そして、「物語」は、まさに「道中」を描いていると言えます。
だから私たち「道楽家」は、物語を好むんです。
得てして物語は、最終回や最後は意外と記憶に残っていなかったり、一番のシーンになっていなかったりします。なぜなら、エンディングというのは、一つの形として表現され、結末が決まってしまうので、それを受け入れるしかないからです。それが自分が納得したり、感動するならいいのですが、決まったものというのは、それをもう変えることはできないので、どうしようもないのです。
つまり、「物語」の一番面白いところというのは、その「道中」なのです。「道中」は、その後の展開がどうなるかがわからないので、いくらでも想像したり、考察できるからです。
今、『ONE PIECE』や『進撃の巨人』という名作が、物語の佳境を迎えていますが、特に『進撃の巨人』は、ある意味今が一番面白く盛り上がっていると言えます。
ネタバレには気をつけますが、様々な伏線が回収されたりしながら、毎回衝撃な展開が描かれていき、「この後どうなるんだ!?」と、Youtubeでも展開を予想したり、考察したりするファンが沢山います。しかし、完結してしまったら、もうその先はなく、展開を予想することも、考察することもできず、エンディングを受け入れなければなりません。どんなエンディングになるかはわかりませんが、そこで「進撃の道中」は終わってしまうのです。
今年は、『あなたの番です』というドラマが盛り上がり、MAXとしていくつかコラムを取り上げているので、読んでいただけたらありがたいです。
この作品は、特に顕著なんですが、最初こそ視聴率は低迷していたものの、第2部が始まってからは視聴率が二桁になり、最終回までどんどん視聴率が上がっていって、最終回は19.4%という高視聴率を記録しました。ところが、最終回までは、真犯人が誰なのか、最後はどうなるのか、などなど、考察合戦が繰り広げられていて、とても盛り上がっていたものの、最終回でその評価は一気に逆転してしまいました。
それは、視聴者にとって、納得のいかない結末だったからです。しかも、有料チャンネルのHuluで、真犯人の過去編をやったことも反感を買い、道中の盛り上がりはなんだったのかと思うようなドラマになってしまいました。
これは、「真犯人は誰か?」という結末を目的にしてしまった為に、起こってしまったことです。私も、最終回はがっかりしましたが、作品を通して見たら、十分道中を楽しんだおかげで、批判していた人とは違い、満足できるものでした。それはやはり「道中」を楽しむ「道楽家」だからだと言えます。
結末というのは、一つの答えであり、結果です。その結果を第一にしたり求めるのは、「道楽道」に反します。もちろん、結末が面白い作品もあると思いますが、「物語」は、結末までの道中を描いたものでもあるので、結末を楽しみにするのはもちろんですが、結末までの道中を楽しむ方が、道楽的であり、作品を面白く観るコツだと言えます。
究極に面白い作品とは
物語は、結末に至るまでの道中であり、結末がわからないからこそ、道中を楽しめるというものなので、結末がわかってしまうと、道中は楽しめなくなる所があります。しかし、究極に面白い作品があるとすれば、結末がわかっていても、面白いと思える作品です。もっといえば、結末がわかっているからこそ面白く思える作品です。
そのような作品はなかなかありませんが、思い当たる作品があります。
それは、『君の膵臓をたべたい』という作品です。noteでもコラムで取り上げたことがあり、「神アニメランキング虹見式!」でも取り上げています。
私にとってこの作品は、観れば観るほど感動が深まって行って泣けてしまいます。なぜなら、結末がわかっているからこそ、道中で描かれている二人の姿が、儚く、切なく、美しさが強くなるからです。
それともう一つ紹介したいのが、京アニ制作の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の第10話です。
全13話ある中で、「神回」と言われている回なんですが、私はこの回が始まった瞬間に号泣してしまうほどです。戦闘人形だった主人公のヴァイオレット・エヴァーガーデンが、自動手記人形として人の思いを手紙にしていく中で、成長したヴァイオレットと、ある親子の感動も物語です。
この神回も、作品も、先がわかっているから感動するんです。この二つの作品は、「愛」というような普遍的なものをテーマにしているから、結末やエンディングはあまり関係ないのかもしれませんが、この作品も、結末がわかっているから、より感動すると言えます。
正直、こういった作品は中々ありませんが、こういう作品を作れるとしたら、それはすごいことだと思うんですよ。何度見ても感動が薄れることなく深まっていくのは、中々ない作品だと思うので、観たことない方は、ぜひ観てみてくださいね!
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