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戦争という「ジョーカーゲーム」
8月は、日本にとって、忘れることのできない出来事があった時期ですよね。広島と長崎に原爆が落とされ、75年前の今日。1945年8月15日に終戦しました。
先日、喜多個人のnoteで、海軍司令長官として日本海軍を率いて、太平洋戦争のきっかけとなる真珠湾攻撃を指揮した山本五十六さんについてのコラムを配信しました。
山本五十六司令長官が、真珠湾攻撃を指揮したことで、太平洋戦争が始まりましたが、決して、望んで戦争を起こしたわけではありません。
山本五十六さんはむしろ、戦争には反対していましたから。(一節によると彼はスパイだったという説もあり、このような様々な見解がありますが、真実はここでは書けないような内容です。お察しください…^^;)
このように、第二次世界大戦、主に太平洋(大東亜)戦争は、様々な見方がされています。今尚、韓国を中心に、アジアからの一部からは、「日本の侵略戦争」だと、謝罪や賠償を要求してきたり、事あるごとに攻め立ててくることがあります。そのような、侵略戦争だと捉える人もいれば、欧米の植民地を防いだ大義の戦争だと捉える人もいます。客観的に見れば、そのどちらでもあるかもしれません。
今回のコラムでは、戦争の是非や、功罪について語るつもりは一切ありません。
強いて言うなら、先の戦争は、世界を巧みに巻き込んだ「ジョーカーゲーム」だと位置付けたいと思います。
道楽舎は、善でも悪でも、あらゆるものが全て必要なものとしてあきらかに観て、それをどう受け止め向き合っていくか、ということを重視しています。もちろん、戦争も災害も、起こらないに越したことはありません。でも、実際に避けることができず、現実に起こってしまったのなら、それを嘆き続けていても、憎しみ続けていても、無かったことになることはないし、何も解決しません。
戦後75年、日本では戦争は起こっていませんが、「ジョーカーゲーム」は世間の至る所で起こっており、苦しんでいる人々は沢山いると思います。そこで、今回は、戦争ではないにしても、ジョーカーゲームを仕掛けられてしまった場合の道楽的な乗り越え方について、述べて参ります。
ジョーカーゲームとは?
「ジョーカーゲーム」って何?と言われる方もいますよね。そんな方には、このコラムがオススメです。
MAXが運営する、「神アニメランキング!虹見式」で、『ジョーカー・ゲーム』という作品を特集したコラムです。私自身、この作品を観たことで、世界観が変わりました。いかに自分が、作り込まれた虚構の世界に閉じ込められているか、ということを実感したからです。
この作品でも描かれていることですが、「ジョーカーゲーム」について簡単に説明します。
例えば、あなたがポーカーをするとします。ポーカーのルールに則り、5枚の手札が配られ、仮にフルハウスができたとします。まず勝てる手なので、勝ちを確信して札を出すと、相手はロイヤルストレートフラッシュを出してきて、あなたは圧倒的敗北をしてしまいます。
まず出るはずのない手なので、イカサマを疑いますよね。そう、確かにイカサマです。でも、「イカサマはダメ」なんて言っていた訳ではないし、結果として勝負は負けました。
あなたがしていたのはポーカーですが、相手がしていたのはポーカーではなく、あなたを負かす為のイカサマなのです。ポーカーはただの手段でしかないのですが、その手段を目的にさせてしまうのが「ジョーカーゲーム」なのです。
要は、意図的に【自分の真意を見抜かせずに、相手の目を反らせる】ということです。そして、気付いた時にはもう手遅れ、というのがジョーカーゲームの典型的なパターンです。
太平洋戦争で言えば、仮にいくら山本五十六さんが戦争に反対していたとしても、経済制裁などで追い込まれた国家の総意としては、戦争は避けられませんでした。おそらく、山本五十六さんは、そのジョーカーゲームに気付いたのでしょう。しかし、気付いた時には、もう防ぎようがなく、戦争に踏み切るしかありませんでした。
彼自身は、戦争が避けられない以上、どうやって最小限の被害で落しどころをつけるか?を考えていたのかも知れません。しかし、残念ながら終戦の2年前に南方戦線を移動中、暗号を解読していた米軍機に撃墜され戦死してしまいます。そこからはご存じの通り、日本は泥沼の消耗戦に巻き込まれていきます。
物語に欠かせない、ジョーカーゲーム
ジョーカーゲームを仕掛けられた方としては、マジでたまったものではありません!(^^;
信じていた相手に騙され、裏切られ、大損してしまう訳ですから。
しかし、道楽家としては、また別の観方をすることも出来ます。
そうです、そんなジョーカーゲームが欠かせないのが、【面白い物語】なのです。
今、7年ぶりに『半沢直樹』の続編が放送されており、毎回視聴率20%超えという記録的な数字を出しています。原作者は池井戸潤さんで、7年前に『半沢直樹』が放送されて以来、『花咲舞が黙ってない』や『下町ロケット』『陸王』『ノーサイド・ゲーム』など、様々なヒット作を生み出し、TBSの日曜劇場の顔と言っても過言ではないでしょう。
その池井戸作品に共通しているのが、「ジョーカーゲーム」です。
リアルタイムで放送中の『半沢直樹』だと、とてもわかりやすいです。主人公の半沢直樹は、事あるごとにジョーカーゲームを仕掛けられます。特に半沢は、「やられたらやり返す。倍返しだ!」という名台詞にもあるように、基本成分は【復讐】でできています。その復讐心によって、敵を作りやすいこともあり、狙われているところもあるのでしょう。
敵対する相手が裏で手を組み、どのような手を打ってきてもいいように手を回し、用意周到に準備してジョーカーゲームを仕掛けてきます。その時点で、本来であれば、なす術なしでやられてしまうでしょう。『半沢直樹』の面白いところは、勝ち目のないジョーカーゲームを仕掛けられても、ただやられてしまうでも、諦めるでもない。ジョーカーゲームの真意を見抜いて、最後まであがいて不正を暴き、最後は倍返しをする!この展開が、人々を引き付けるのでしょうね。
続編は、前回の倍返しに対する新たなジョーカーゲームが繰り広げられましたが、池井戸作品に通じる面白さは、「ジョーカーゲーム」あってのものだと言えます。
『コンフィデンスマンJP』はジョーカーゲームの応酬
「ジョーカーゲーム」を悪いものだというのは簡単です。ただ、面白い物語の裏に共通するのは、「悪役に魅力がある」ということがあります。ただ単純に真正面から戦うのではなく、真意を悟らせないような知略を張り巡らせるのが、面白い物語の醍醐味だと言えるのではないでしょうか。
他にも、『コンフィデンスマンJP』なんかは、我々道楽舎でも重要な研究テーマとして好んで観ています。
古沢良太さんが紡ぎたす物語とキャラクターは、とにかく魅力的です。善だ悪だというよりも、己に従って生きる痛快さや自由な姿に、道楽を感じるし、魅力を感じるのではないでしょうか?
どうせ逃げられないなら?
確かに、物語として観たら、「ジョーカーゲーム」は楽しめるかもしれません。実際にジョーカーゲームを仕掛けられたらたまったものではないですからね。
ただ、わかっていても防げないのがジョーカーゲームでもあり、実は、私たちの現実世界でも、知らないうちに虎視眈々と「仕掛けられている」のが、ジョーカーゲームの怖いところです。
以前、道楽舎では「なるようにするのさ」というテーマのコラムを配信しました。
このコラムの中で、「どうせやるなら」ということについて述べています。つまり、今回言いたいのは、ジョーカーゲームがどうせ避けられないのなら、現実を受け入れて、「その中で何をするか」ということです。
未然に犯罪を防ぐことが難しいように、強大な力と莫大な財力を持つ国際的な金融資本や支配者層が周到に準備されたジョーカーゲームを回避することはまずできません。それは、世界恐慌や先の太平洋戦争を例に出したことでもわかると思います。戦争は決して望むべきものではありません。ですが、事実として戦争や争いは起こります。というより、この世界は、争いが生まれるようにできているようにも感じます。
道楽舎としては、そんな「争いが生まれる仕組み」をわかった上で、嘆くのでも諦めるのでもなく、そして打ち倒すのでもない。できうるならば、真意を見抜いた上で、あえて誘いに乗る(笑)ことができれば何よりです。
しかし、それはそんなに簡単でないのも事実です。抜けるられるならそれに越したことはありません。でも、どうせ抜けられないジョーカーゲームならば、無理に抜けようとするのではなく、できる限り致命的な傷を受けないようリスクマネジメントしながら、ヘタに敵対して狙われないよう、ノラリクラリ上手に距離感を持つことが肝要です。
『HUNTER×HUNTER』に学ぶジョーカーゲームの乗り越え方
まともな神経を持った人であれば、ジョーカーゲームだらけのこの世界は、とても生きにくさを感じることが多いでしょう。我々も同じような道を歩んできたのでその気持ちは本当によくわかります。もし運が悪ければ、単なる「社会不適合者」の烙印を押されて抹殺されていたかもしれません。
しかしながら、運良くこうして【道楽家】として覚醒した以上(笑)、どんなことでも楽しむのが我々の信条です。
その為には、この世界が「どういう仕組みか」を理解しておく必要があります。
『HUNTER×HUNTER』のグリードアイランドが、一見、お金と人の欲を煽るゲームのように見えて、その実は、父親のジンが息子のゴンをハンターとして成長させること、そしてジンが自分の仲間を息子に「スゲェだろうー!」と自慢することが目的でした。(笑)
そして、ゴンは父親の意図を無意識的に感じ取り、ゲーム内では、決して手段に捉われず、しっかりと目的を見据えて、キルアと共に念能力の実力を付けるために師匠(ビスケ)に弟子入りして何日間も修行をしました。それは、ゲームをする上では遠回りのようでしたが、その結果、唯一のゲームクリアという偉業を果たしたのです。
ジョーカーゲームとは、「手段を目的にさせる(そのように信じ込ませる)もの」だと言いましたが、この世界を見渡すと、あちらこちらでそのような策略が張り巡らされていることに気が付きます。例えば「お金(金融資本主義)」の仕組みや国家間の争い、最近で言えば、みんな騒いでるcorona……おっと、誰か来たようだ……(笑)
とまあ、多くの人はそれを当然のように受け入れて、いつの間にか本質的な問題から目を逸らされ、知らないうちに無益な争いに巻き込まれていくというのは、近現代の歴史を見ればよくわかると思います。(近現代の歴史は【彼ら】の歴史そのものです。)
ですので、ジョーカーゲームを攻略するには、ゴンのように、目先の手段に捉われず、物事の本質を見抜き、本当の目的(ゴール)を見失わないことです。
グリードアイランド編は、ジョーカーゲームの縮図のような物語なので、とても参考になるし、道楽的でもあります。
一言で「ジョーカーゲーム」といっても、人を貶めるだけのものではなく、ジンのように、人を「成長」させることを目的とした意図的な「ジョークゲーム」もあります。道楽舎としては、ジンのような「成長」や「楽しむ」ことを目的としたジョークゲームを存分に仕掛けていきたいと考えています( ̄ー ̄)
以上、終戦記念日ということで、戦争にちなんだテーマのコラムにしてみましたが、「道楽」という観点で持って、戦争に対しても、金融危機にしても、疫病にしても、ジョーカーゲームに対しても向き合って、道中を楽しむ生き方の参考になればと思います。
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